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MICの歯科経営メールマガジン デンティスト・スタイル

HOMEMIC FUNデンティスト・スタイル号外版:2005年6月30日

号外版:2005年6月30日

歯医者さんのためのメールマガジン「デンティスト・スタイル」です。
本日は、好評の「号外」をお届けします。

さて、号外特別版。今回も村山涼一の「歯科医のマーケティング」。村山さんらしいマーケティング的見地からのコラムが展開されます。歯科医経営という市場を鳥瞰し、今何をしていくべきなのかを提言してくれています。どの市場も急速な変化が起きています。その変化を先読みし、今、自らは何をしていくべきかを発見する重要性が伝わってくるものと思われます。

「歯科医のマーケティング」(村山涼一)

歯科業界の飽和感というのはどこから来ているのでしょう?ひとつは65,000件という件数でしょうね。「ハチの子殺し」ではないですが、生存できる数が臨界点に達しています。こういう場合、自浄作用が働き、ハチは子を殺すと言われています。青森大学の古田教授によると、これは日本という国にも働いていて、それによって少子化、高齢化が進んでいるそうです。

もうひとつは「プロセスイノベーション」が達成されたことではないでしょうか。「イノベーション概念の祖」であるシュンペーターは、イノベーションには5つの変革があると提唱しました。
(1)「財質」すなわち商品(サービスも含む)のイノベーション
(2)生産方法のイノベーション
(3)販路(流通、マーケティングも含む)のイノベーション
(4)原料・半製品の供給源に関するイノベーション
(5)組織のイノベーション
この(1)と(4)をプロダクトイノベーション、(2)(3)(5)をプロセスイノベーションと言いますが、歯科業界はこのプロセスイノベーションが終了した状態なのだと思います。

例えば、歯を削る機械の音が劇的に小さくなったことや麻酔の方法がきわめて科学的になったこと、前歯の治療などが思い浮かびます。ものすごく大きかった「シュイーン」という音に、大きな恐怖心を持ったものですが、最近では驚くほど小さな音になりました。また短時間の麻酔注射のせいで、突然口の感覚がなくなったり、あるいは麻酔が足らなくてものすごく痛い思いをするようなことは、現在の麻酔装置のおかげでなくなりました。前歯の治療もそうです。金を前歯に貼られて、マンガに出てくるオヤジのようにされることは現在はなく、真っ白い歯にしてもらうことができますね。

こうしたプロセスイノベーションの貢献により、歯科医間の治療技術に差がなくなってきた。これがまさしく、市場を飽和させているもうひとつの要因に他ならないと思います。

さてそれではこれからどうなるのでしょう?セオリーでは、この次にはプロダクトイノベーションがやってきます。日本的TQC(TotalQualityControl 全社的品質管理)やトヨタのカンバン方式、ナショナルチェーンのプロセスイノベーションが日本の躍進を支えましたが、それが飽和すると日本にはプロダクトイノベーションの波がきました。

例えばビール業界におけるキリンとアサヒの例がそうですね。プロセスイノベーションに長けたキリンの隆盛は、アサヒスーパードライというプロダクトイノベーションを持った商品の登場で逆転されてしまいました。

これをプロセスイノベーションが終了したと思われる歯科業界に当てはめれば、プロダクトイノベーションとしての予防歯科とインプラントが有望だと思います。その中でも需要が顕在化しやすいという観点から言えば、インプラントが最有力と推察します。まだインプラントに着手している歯科医院はあまり多くないと聞きますが、歴史の流れからすればインプラントというプロダクトイノベーションの波に呑まれていくのは自明です。またそうしないと歯科業界はネクストフェイズに行けないと思います。インプラントを制するものがネクストフェイズの覇者となると言ってもいいように思います。

いかがでしたか?
時代はまさに次のフェイズへの転換期、歴史のページがめくられる瞬間なのだと実感しますね。
次回は井尾仁志の「歯科医の財務」です。