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HOMEMIC FUNカラーセミナー第12回:歯の色

第12回:歯の色

「パーソナルカラータイプ」ということばを知っていますか。
人にはそれぞれ似合う色がありますが、そのタイプ分けの考え方です。
歯の色がそれにも関係しています。

Webカラーセミナー第12回は「歯の色」についてのアドバイスをお届けします。
歯の色についての知識、そして患者さんの「歯の色」についてのご要望……これらについては、もちろん私よりも歯科医の先生方がよくご存知です。
ですから、ここではカラーコンサルタントの目から見た「人の顔と歯の色のバランス」、そして「歯の色が人に与える影響」について述べてみたいと思います。

「パーソナルカラータイプ」とは?

人には、血液型や手相などがありますね。そして、それらの多くは、いくつかのグループに分けられています。
これと同じように「その人にはどんな色が似合いやすいか」によって、人をグループ分けしていく考え方と分類方法があり、これを「パーソナルカラータイプ」と呼んでいます。
日本でも1980年頃からカラーリストと呼ばれるアドバイザーによって「パーソナルカラータイプ」を判定していくアドバイスが行われるようになり、現代では何万人もの人がそのノウハウを身につけています。
その手法の代表的なものは、テストカラーと呼ばれるいくつかの色を試験的にクライアントの顔の下に布であてがい、その結果としての「見え」によって似合う・似合わないを判断していくものです。実際に色をあてて顔映りを見るという点では、日本の「きものの見立て」と同じですね。
判定結果は四季の色になぞらえて分けられた4つのグループのいずれが最も似合うのかということで伝えられるのが一般的。たとえば「あなたには春色が似合います」というぐあいに。

人のパーツをもとにした色判定

私は、こうした従来の方法に加えて、独自に開発した、まゆ、目、鼻、口、輪かく、歯、耳、手など、体のパーツの形をもとにした「パーツによる似合う色の判定とアドバイス」を行っています。

たとえば、同じ上顎の前歯でも「丸みを帯びた小さめの歯で、歯の色が黄色みを帯びており、透明感があって、歯につやがあるタイプの人は、黄色、黄緑、オレンジ色を中心とした春の色調の色が似合うので、義歯も白すぎない、ソフトな印象のイエローイッシュなホワイトにした方が魅力を損なわないですよ。」というように、です。

同じ黄色っぽい前歯を持つ人でも「厚みがあり、幅が広く、縦にみぞがあり、くすんだアイボリーの歯を持っている人は、赤、オレンジ、黄色、からし色などが代表的な色であるところの秋の色調の色が似合うので、歯を"まっ白"にするのは、おすすめできません。元の色に近い、くすんだ色の義歯こそが肌や目の透明感を最大に見せてくれるのです。」とアドバイスするケースもあります。

同じ白い歯でもカラータイプが異なる

また、白い歯を持つ人でも「厚みがうすく、形が長四角で、ソフトな印象の白い歯の人には、水色、ピンク、うす紫、グレー、白などのソフトでクールな夏の色調の色が似合うタイプ。だから、歯も白く保つことが大切。でも、義歯にする際に、最も白いまっ白にするのはリスクがあります。なぜなら歯の印象だけが強くなり、目のやさしさが伝わりにくくなり、肌色がくすんで見えてしまうからです。」とお伝えします。

あるいは、はじめからまっ白な歯の人には「先端がうすい刃物のようになっていて、とても小さい四角い歯、もしくはとても大きな歯の持ち主は、まっ白な歯が魅力的なタイプ。この人には白、黒、紫、青、まっ赤などの、はっきりした冬の色調の色が似合います。それだけに義歯も、かなり白いほうのタイプを選んでもだいじょうぶ。」と申し上げることが多いのです。

似合う色と「好み」の色

つまり、生来の歯の色は「似合う色」であり、そのままの色が一番。自然な歯の色は、目や肌を美しく見せると同時に、顔だちをひきたて、他の似合う服の色とも配色がうまくできる合理的な色、というわけです。

しかし、周囲の歯の色と違っていても「明るい、白っぽいほうにしてくれ」と強く要求されることがあるでしょう。
そんな場合は、数本のうち、前方を明るく、サイドをやや暗くしてグラデーションになるようにしてさしあげてはいかがでしょうか。お望みの「白い歯」の希望を叶えつつ、自然さも保たれます。
でも、一本だけですと、さすがにグラデーションは無理。そんな時は、仮に白すぎる歯と自然な歯を、次々に義歯が入るところにあてがって、ご本人に見ていただくのが良いでしょう。ただし、一方を見て3秒ぐらいのうちに、すぐ次の色に切り替えることが大切。時間が長く経過したり、一度目をそらしたりすると「記憶の中にある、はじめに見た色」が鮮明には思い出せなくなるから比較しにくいのです。「ここに今、2つの色ちがいの義歯の色見本をあててみますから、目を離さないで鏡の中のこの辺を見ていてくださいね」とお声をかけると分かりやすいはず。

それでも、「白い歯に」と患者さんにせがまれたら、それは精神安定のため、ご本人の「自信」のためと割り切って、願いをかなえてあげてはどうでしょうか。明るい歯の色は気持を明るくし、しゃんとした気分をつくります。それによって心が強くなり、前向きになることも多いのです。また、白っぽい色が「今までの不快感や、老いに対する嫌悪感」などのネガティブな感情を和らげ、きれいさっぱり浄化してくれることもあります。
また、多くの人が白い歯の人を、明るく清潔感があって、精神力のある人だと思いやすく、好感を持つ一面があることは否定できません。
「人に好かれることが重要な仕事」をしている人にとって、白い歯は営業的な武器になることもあるようです。

不自然さを軽減する提案はきちんとしつつ、ご本人の心の健康にも配慮していく柔軟さが、これからの歯科医療に求められているような気がします。

これまで、全12回シリーズでお送りしてきたWebカラーセミナーも今回で最終回です。先生方も、患者さんも何か一つの色で幸せになれる気がして、それをお伝えしたいと思ってまいりましたが、いかがでしたか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

講師プロフィール

高坂 美紀(たかさか みき)

いすゞ自動車(株)役員秘書、(株)ドトールコーヒー社長秘書、コピーライター等を経験後、1984年にカラーコンサルティングの(株)ハーツを設立し、カラーデザインとカラーアドバイスを手がける。
また、日経産業新聞紙上のコラム「市場トレンド 私はこう読む 」 に10年以上にわたって執筆記事を連載。
わかりやすく語る実践的なノウハウの数々は、各地の医師会や研究会の会員からも好評を得ている。

高坂美紀 オフィシャルページは こちら