心を育てる! 患者接遇マナー

HOMEMIC FUN心を育てる! 患者接遇マナー第4回:経営者視点・歯科業界を知る CS

経営者視点・歯科業界を知る CS

みなさん、こんにちは。株式会社オフィスウエーブ代表ならびに、日本歯科プロアシスタントスクールの校長を務める澤泉仲美子です。患者接遇についてのコラムの4回目をお届けします。

顧客満足とは?

さっそくですが患者さんは、どこをポイントに比較して歯科医院を選んでいるのでしょうか?

一番比較しやすいのは、スタッフの対応、いわゆるサービスの部分だと私は思っています。顧客満足=Customer Satisfaction(CS)とは事前と事後の期待を対比することで自覚される心理状態のことです。つまりこの場合、スタッフの「対応力」で患者さんに好意的な気持ちを作り出すことができれば、顧客満足に成功しているといえます。

成功する組織には、共通点があります。それは顧客を満足させていることです。このことは秘密にされているわけではなく、多くの人が知られていますし、本にもたくさん書かれていますが、実行できている組織は多くはありません。

例えば顧客満足により、成功している組織として代表的なのがディズニーリゾートです。なんと来場者の97%以上がリピーターといいますから、驚異的なことです。

これはリピーターになってもらうだけの満足を来場者に与え続けているという証です。

ところで、組織と顧客とはなんでしょうか。
組織は特定の目的を達成するために構成された集団で、世の中に存在する社会、集団、組合、会社などのことです。

また顧客は商品やサービスを受ける対象のことで、通常、その組織に利益(この場合、利益とは金銭だけでなく、組織のスタッフ全員の精神的満足も指します。)をもたらします。

つまり歯科医院も組織であり、歯科医院にとっての第一の顧客は患者さんなのです。

顧客を大切にして満足を高めることが、組織の成功には大切だということが実感できることと思います。

私の源泉

私は30年前にディズニーランドのオープニングスタッフとしてアルバイトの経験をしておりました。その時の体験や学びが今の私のサービス精神やホスピタル精神の源泉になっています。

ディズニーリゾートには、キャスト用(従業員)のマニュアルが何冊も用意されています。そこには、身だしなみについても事細かなルールがあり、徹底されているのです。

女性の髪型、メイク、アクセサリーのルールなどが非常に細かく明確に記されており、徹底されて守られています。これがいわゆる接遇の型の部分です。

私たちは医療従事者で、ディズニーリゾートとは、別の業界となりますが、「組織」として捉えるなら同じくくりになるのです。

以前にお伝えした全国に約7万件もある歯科医院の中で、たった1件を選んでいただく患者さん。この7万分の1の奇跡を起こすにはグレードの高い接遇力を養うことが大切ですね。

そのためには隣在する歯科医院をライバルにするのではなく、顧客満足を成功させているすべての組織をライバルにすることです。

だから皆さんのライバルはディズニーリゾートでもあるわけです。

※病院における顧客満足を、患者満足=Patient Satisfaction(PS)と表現する場合もあります。

「全」から「個」へ

さて、もうひとつ顧客満足を考えるときのポイントをお伝えさせていただきます。現代では一人一人の価値を大切にし、「人」への向き合い方が問われる時代になっています。

一人の「人」にフォーカスして、その人が求めるもの、その人が大切にしているものを、大切にさせていただくようなサービスが求められているのです。

そのため顧客を「個」のレベルで理解し価値を提供する「個客」の考えが主流になってきています。

※顧客満足を、一歩進めたものを個客満足=Personal Satisfaction(PS)といいます。

これまでは「来院する人=患者さん」というかたちで、ひとくくりにとらえていました。
しかし、どんなに良いサービスや技術があっても、来院する人が「やりたい」と首を縦に振ってくれなければ、患者さんとして何も提供することは出来ないのです。

来院する人を個々にとらえ、患者さん=個客の希望、欲望を引き出す!!ここに鍵があります。そのためには、私達にはコミュニケーション力を磨く必要性が大きくなっています。

早いもので、これで「第1章 接遇の本質」が終了です。いかがでしたでしょうか。
いよいよ次回からは後半戦「第2章 接遇スキル」がスタートです。5回目のテーマは「感謝を表現する力を身に付けましょう~ 空気を膨らませる ~」です。コミュニケーション力を磨くスキルについてお伝えしていきますので、楽しみにしていてくださいね。

連載インフォメーション(毎月第3週 公開予定)

<第1章 接遇の本質>
  • 1回目 感謝の気持ち
  • 2回目 根っこ
  • 3回目 しあわせの法則
  • 4回目 経営者視点・歯科業界を知る CS
<第2章 接遇スキル>
  • 5回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 空気を膨らませる ~
  • 6回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「聴く」を膨らませる ~
  • 7回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表情」を膨らませる ~
  • 8回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表現力」を膨らませる ~
  • 9回目 姿勢・所作
  • 10回目 言葉遣い

※順番や内容は、一部変更になることがあります。

執筆者プロフィール

澤泉 仲美子(さわいずみ なみこ)


株式会社オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS) 校長

共立女子短期大学で学び、歯科助手として社会人をスタート
学校法人三幸学園(さんこうがくえん)に就職。
クラス担任を受け持ちながら医療請求事務や秘書学・ 簿記学を担当し、1,500名の歯科助手を歯科業界に送り出しました。その後、日本歯科助手協会・会長を務め、歯科助手の社会的地位向上のための活動を精力的に行ってきました。
30歳で独立開業。株式会社オフィスウエーブを立ち上げました。
女性視点を歯科経営に活かすコンサルタント活動を行い、デンタルスタッフ向けに、患者接遇マナーやコミュニケーションスキル講師として全国で活発な講演活動を行っています。コーチングやNLPを学び、デンタルスタッフ育成に役立てています。

著書:「患者さんに好かれるスタッフ習慣術55」、「ファンをつくり出す歯科医院経営」、「歯科助手の上手な活用方法」(いずれもクインテッセンス出版)があります。
ホームページ:http://www.office-wave.jp