心を育てる! 患者接遇マナー

HOMEMIC FUN心を育てる! 患者接遇マナー第5回:感謝を表現する力を身に付けましょう~空気を膨らませる~

感謝を表現する力を身に付けましょう~空気を膨らませる~

みなさん、こんにちは。株式会社オフィスウエーブ代表ならびに、日本歯科プロアシスタントスクールの校長を務める澤泉仲美子です。患者接遇についてのコラムの5回目をお届けします。

空気感の大切さ

いよいよ本コラムの後半がスタートです。今回は「感謝を表現する力を身に付けましょう~空気を膨らませる~」についてお伝えします。

さて突然ですが、みなさんはお料理をいただく前に、入った瞬間の空気感で「お店選びを失敗した!」と、後悔した経験はありませんか?

・大切な記念日に予約をして楽しみに行ったレストラン。レストランに入ったその瞬間、雰囲気が悪い!
・正しい言葉遣いで折り目正しい接客だけど、逆に冷たさを感じる…
・お店の従業員の表情は笑っているけど、目が笑ってない!
・従業員同士の関係性が悪そう…
・対応してくれるサービスに温かみがない…
・お店全体の空気が冷たい…

このような状況は、予約の電話をする時にさえ、相手の方の声から、そのお店の空気感を感じることもできますよね。

そして、これが歯科医院のステージでも同じことが言えます。患者さんが感じる空気感です。なんといっても歯科医院が与える患者さんへの印象は、空気感が大きく影響します。空気感はドアを開けた瞬間に感じるものです。

「選んで正解だった!すごく感じが良い!」または、「選んで失敗!感じ悪い!」と、診療を受ける前や診療室の扉を開けた瞬間に、患者さんは私たちの歯科医院を判断します。

また、まだお越しにならない未来の患者さんも電話したその瞬間に「感じ悪い!ここはやめておこう!」と、来院して治療を受ける前にも判断します。特に電話は、声だけに集中したコミュニケーションなので、感性や感情がこの声に集中しますから、相手の様子を過敏に察知しやすいのです。

空気感が与える影響が、いかに大切かがわかりますよね。

非言語の表現力

それでは良い空気感を創り出すにはどうしたらよいのでしょうか。この空気感の半分は積み重ねです。私たちの思いやりの気持ち、関係性の良さが月日を重ね、自然にオーラとして漂うものです。

けれど、残り半分は今すぐに、この瞬間に、意識して創り出せるものです。一人一人が努力して空気を創ることができます。

空気ですから、言葉ではありません。言葉を使わずに、相手の方へ感謝と思いやりの気持ちを表現します。そのために非言語(ノンバーバル)の表現力を鍛えましょう。

では、言葉以外で、感謝と思いやりを表現するとしたらどのような方法があると思いますか?

ここでみなさんの表現力が求められるのです。歯科医院における表現力の留意点は、大げさに膨らまさないと伝わらないということです。(※具体的な方法については、次回以降のコラムで綴っていきたいと思います。)

それはなぜか?

相手が患者さんだからです。患者さんの心理は、ナーバスだからです。怖い、緊張、不安…そのようなマイナスな感情で来院される患者さんが対象だからです。普通の笑顔では、患者さんに笑顔だと伝わりません。

普通の声の出し方では、患者さんは冷い印象と感じます。普通の動作やしぐさ、言葉遣いでは、患者さんには、事務的に感じさせ、不安や恐怖を煽ることすらあります。

200%増しの笑顔

笑顔はいつもの200%増しに、声は意識して優しく温かみのある声に(「愛声(えごえ)」といいます)、姿勢は正しく、動作は少しゆっくり、余韻を残して行ってください。

特に、私たち一人一人が、職場や患者さんに向けて、「LOVEビーム」を放ちましょう。これは本当に大切です。LOVEビームとは非言語の愛と感謝の表現です。

言葉にはしないけれど、心の中でこれまでもお伝えした「全国に約7万件ある歯科医院の中から選んでいらして下さり、本当にありがとうございます。この出逢いに心から感謝しています。この出逢いを形にします。」とつぶやきます。

おのずと、目じりは下がり、口角が上がって、優しい表情になります。動作はゆっくり、所作は温かく血の通ったものに変わります。

これだけで歯科医院の印象はガラッと変わります。一人一人がLOVEビームを与え合いましょう!


いかがでしたでしょうか。今回は空気感を創る表現力のポイントについてお話ししましたが、具体的な方法については、これからのコラムで綴っていきますので、楽しみにしてくださいね。

次回は「感謝を表現する力を身に付けましょう~「聴く」を膨らませる~」です。

連載インフォメーション(毎月第3週 公開予定)

<第1章 接遇の本質>
  • 1回目 感謝の気持ち
  • 2回目 根っこ
  • 3回目 しあわせの法則
  • 4回目 経営者視点・歯科業界を知る CS
<第2章 接遇スキル>
  • 5回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 空気を膨らませる ~
  • 6回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「聴く」を膨らませる ~
  • 7回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表情」を膨らませる ~
  • 8回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表現力」を膨らませる ~
  • 9回目 姿勢・所作
  • 10回目 言葉遣い

※順番や内容は、一部変更になることがあります。

執筆者プロフィール

澤泉 仲美子(さわいずみ なみこ)


株式会社オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS) 校長

共立女子短期大学で学び、歯科助手として社会人をスタート
学校法人三幸学園(さんこうがくえん)に就職。
クラス担任を受け持ちながら医療請求事務や秘書学・ 簿記学を担当し、1,500名の歯科助手を歯科業界に送り出しました。その後、日本歯科助手協会・会長を務め、歯科助手の社会的地位向上のための活動を精力的に行ってきました。
30歳で独立開業。株式会社オフィスウエーブを立ち上げました。
女性視点を歯科経営に活かすコンサルタント活動を行い、デンタルスタッフ向けに、患者接遇マナーやコミュニケーションスキル講師として全国で活発な講演活動を行っています。コーチングやNLPを学び、デンタルスタッフ育成に役立てています。

著書:「患者さんに好かれるスタッフ習慣術55」、「ファンをつくり出す歯科医院経営」、「歯科助手の上手な活用方法」(いずれもクインテッセンス出版)があります。
ホームページ:http://www.office-wave.jp