心を育てる! 患者接遇マナー

HOMEMIC FUN心を育てる! 患者接遇マナー第7回:感謝を表現する力を身に付けましょう~表情を膨らませる~

感謝を表現する力を身に付けましょう~表情を膨らませる~

みなさん、こんにちは。株式会社オフィスウエーブ代表ならびに、日本歯科プロアシスタントスクールの校長を務める澤泉仲美子です。患者接遇についてのコラムの6回目をお届けします。

印象の「93%」を占める要素とは?

今回は「感謝を表現する力を身に付けましょう~「表情」を膨らませる ~」についてお伝えします。

突然ですが、「"ありがとうございました"と言われたけれど、なぜかありがたみが感じない…」という経験をしたことはありませんか?

これを「メラビアンの法則」を使って解説します。アメリカの心理学者メラビアンの研究のなかで、コミュニケーションにおいてどんな要素が相手の印象に影響を与えているかという調査結果があります。

この結果の1位の「顔」という要素と2位の「声」という要素を足すと、なんと93%。つまり、相手に対する印象のほとんどは非言語の部分で決まってしまうのです。

ですから、「ありがとうございました」という言葉そのものは気持ちよく美しい言葉にも関わらず、顔や声の印象が悪いがためにすべて台無しにしてしまうということが起きるのです。それほど、顔や声という要素が相手に与える影響は大きいと言えます。

第一印象はたった○秒で決まります。

第一印象は、7秒で決定すると言われています。先ほどの話とあわせると、たった7秒間の顔と声の印象で、患者さんはその人の印象を決めてしまうのです。

「私のことをわずか数秒で判断されてたまるものですか!!」

そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、第一印象とその人の人格は、必ずしもイコールではありません。しかし、厳しい言い方をすれば、プロである以上は、その一瞬で信頼される顔と声を表現しなければならないのです。

顔の表情では、感じの良さ、清々しさ、優しさが表現できます。声は、声色が大切。声のトーンを上げてお話をしましょう。表情や声色表現で信頼を感じていただくことが、接遇の基本です。

今までのご自身についてぜひこの機会に振り返り、見つめなおして改善する点やさらによい表情や表現を工夫してみてください。

また、挨拶や笑顔は相手のために!と思うと、なかなかできないものです。ついつい見返りを求めてしまい、相手が挨拶や笑顔を返してくれないとがっかりして続ける意欲が失われるからです。

ですから、気持ちの良い挨拶も素敵な笑顔も、自分磨きのため!と思いましょう。自分が気持ちよくなる為にするものだと思えば、挨拶と笑顔の習慣がしっかり身につきますよ。

感謝を笑顔で表現しましょう

表情で何かを伝えるには、自分の基準ではなく、どんな相手(患者さん)から見ても同じように感じ取れるくらいきちんと表現する必要があります。

笑顔ひとつとっても色々な種類の笑顔がありますよね。次の3枚の写真を見比べてみましょう。

【1】私自身は笑っています。
しかし患者さんによっては、怒っている!ととらえる方もいます。口角を上げるこの程度の笑顔は、患者さんから見ると笑顔とは言いきれません。

【2】歯を見せて笑ってみました。
これなら一般的に笑顔としてとらえられます。しかし、患者さんから見たときに、真から感じの良いスタッフには見えません。造られた事務的な笑顔と感じさせてしまいます。

【3】目じりが下がり満面の笑顔です。
これなら、誰から見ても感じの良い笑顔の人です。笑顔の合格ラインです。

アメリカの一部の家庭では、笑顔のための家庭教師がつく場合もあります。笑顔が一人前になって初めて、一人前のレディーとして認められるのです。

アメリカの大統領を思い出してみてください。隣にいるファーストレディーはいつもとても素敵な笑顔をなさっています。大統領は常に笑顔でいるとは限りませんが、ファーストレディーが笑顔でないことはないと言います。ファーストレディーが笑顔でなければ、アメリカ国民が不安になってしまうからです。

歯科医院でも同じような見方ができます。歯科医師である先生には、ニコニコ笑顔はそれほど求められませんが、患者さんとのコミュニケーターであるスタッフには、患者さんの信頼に応え感謝を表現するためにニコニコ笑顔をきちんと表現することが大切です。ぜひ鏡を見てご自身の笑顔を見直してくださいね!!

いかがでしたでしょうか。次回は「姿勢・所作」についてお伝えします。楽しみにしてくださいね。

連載インフォメーション(毎月第3週 公開予定)

<第1章 接遇の本質>
  • 1回目 感謝の気持ち
  • 2回目 根っこ
  • 3回目 しあわせの法則
  • 4回目 経営者視点・歯科業界を知る CS
<第2章 接遇スキル>
  • 5回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 空気を膨らませる ~
  • 6回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「聴く」を膨らませる ~
  • 7回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表情」を膨らませる ~
  • 8回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表現力」を膨らませる ~
  • 9回目 姿勢・所作
  • 10回目 言葉遣い

※順番や内容は、一部変更になることがあります。

執筆者プロフィール

澤泉 仲美子(さわいずみ なみこ)


株式会社オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS) 校長

共立女子短期大学で学び、歯科助手として社会人をスタート
学校法人三幸学園(さんこうがくえん)に就職。
クラス担任を受け持ちながら医療請求事務や秘書学・ 簿記学を担当し、1,500名の歯科助手を歯科業界に送り出しました。その後、日本歯科助手協会・会長を務め、歯科助手の社会的地位向上のための活動を精力的に行ってきました。
30歳で独立開業。株式会社オフィスウエーブを立ち上げました。
女性視点を歯科経営に活かすコンサルタント活動を行い、デンタルスタッフ向けに、患者接遇マナーやコミュニケーションスキル講師として全国で活発な講演活動を行っています。コーチングやNLPを学び、デンタルスタッフ育成に役立てています。

著書:「患者さんに好かれるスタッフ習慣術55」、「ファンをつくり出す歯科医院経営」、「歯科助手の上手な活用方法」(いずれもクインテッセンス出版)があります。
ホームページ:http://www.office-wave.jp