心を育てる! 患者接遇マナー

HOMEMIC FUN心を育てる! 患者接遇マナー第8回 感謝を表現する力を身に付けましょう~「表現力」を膨らませる 1~

感謝を表現する力を身に付けましょう~「表現力」を膨らませる 1~

みなさん、こんにちは。株式会社オフィスウエーブ代表ならびに、日本歯科プロアシスタントスクールの校長を務める澤泉仲美子です。患者接遇についてのコラムの8回目をお届けします。

表現力がなぜ必要なのか

今回は「感謝を表現する力を身に付けましょう~「表現力」を膨らませる 1~」についてお伝えします。

どんなに美しい日本語も表現力が足りないと、ただ流暢なだけで事務的な印象や場合によっては冷たい対応に感じさせてしまうことがあるものです。

同じ言葉でも、表情や音の強さやトーンで、相手に与える印象が大きく変わります。さらに言えば、表現力豊かに伝えることが上手にできれば「魅力的な人」「好感度の高い人」という印象を持ってもらうことができるのです。

そうなれば、特別なボキャブラリーがなくとも豊かな意思疎通ができ、自然と人間関係が構築されて、コミュニケーションの楽しさを感じることが出来るようになります。

表現力とは、このように素晴らしいコミュニケーションスキルなのです。

昨今、歯科の現場では、特にコミュニケーションが求められるようになってきました。患者さんに「この医院に来てよかった」と思ってもらえるためには、決められたマニュアル通りの言葉や動作ではなく、患者さんの心にメッセージを届けるための高度なコミュニケーションが必要なのです。

「愛声」で話す

「なんて素敵な話し方なんだろう。この方と、ずっとお話していたい!」

「友達になってみたい!一緒に仕事をしてみたい!」

そんな風に感じさせる話しかたは、声の表情に秘密があります。「愛声」です。愛声は「えごえ」と読み、文字通り愛される声のことです。声にも表情があるのです。では、さっそく愛声の練習をしてみましょう。

(1)と(2)を比べてみてどうでしょうか。言葉は同じ言葉でも、伝わり方に雲泥の差がでるのがわかります。これだけでもずいぶん違いますが、愛声には3つの具体的なコツがありますので、それぞれを意識しながら練習していきましょう。

「愛声」のコツ[1]:放物線を意識して届ける。

一つ目のコツは、言葉を放物線状に柔らかく投げて、相手の胸元にゆっくりお届けするイメージを持つことです。では、「おはようございます」で練習してみましょう。

いかがでしょうか。違いを際だたせるために2パターン挙げましたが、(2)はずいぶん表現力が増しているように感じませんか?2音目を少し上げるように発音すると、さらに上質に柔らかに表現できますよ。

「愛声」のコツ[2]:間と抑揚を意識して、自然な笑顔で。

では次に、間(ま)と抑揚を意識してみましょう。

どうでしょうか。やはり(1)と(2)で大きく印象が異なりますよね。そしてもう一つ、(2)の通りに読んだ際に笑顔になりませんでしたか?相手に気持ちをお届けしようと思うと自然に笑顔になっているはずです。逆に笑顔にしないと、愛声は出ません。笑顔になれるまで練習してみてくださいね。

「愛声」のコツ[3]:語尾を柔らかく、優しく。

語尾をはっきり発音すると、滑舌が良くはっきりと聞こえますが、 好感度という観点からみると、いかがでしょう?ちょっと強すぎる印象になります。語尾を優しくソフトに発音すると、一気に女性らしく優しい口調になり、相手への印象が変わります。さっそく練習してみましょう。

どうでしょうか。とても優しい印象に変わりませんか?ぜひ、女性ならではの、優しい語り方を習得してみてくださいね。

さて、3つのコツを意識して練習してみましたが、自分なりの愛声を見つけられましたか?

「愛声」の効果は絶大です。こちらのメッセージが患者さんに気持よく伝わり、「優しい人」や「温かな雰囲気のクリニック」というような印象を持ってもらえるはずです。正しい言葉遣い、素敵なことば、優しい表現を、ぜひ愛声に乗せて表現してくださいね。ご自身がいちばん、心地良さを感じられるはずです。なぜなら自分の言葉や声を一番聴くのは自分自身だからです!

いかがでしたでしょうか。次回は「姿勢・所作」についてお伝えします。楽しみにしてくださいね。

連載インフォメーション(毎月第3週 公開予定)

<第1章 接遇の本質>
  • 1回目 感謝の気持ち
  • 2回目 根っこ
  • 3回目 しあわせの法則
  • 4回目 経営者視点・歯科業界を知る CS
<第2章 接遇スキル>
  • 5回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 空気を膨らませる ~
  • 6回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「聴く」を膨らませる ~
  • 7回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表情」を膨らませる ~
  • 8回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表現力」を膨らませる ~
  • 9回目 姿勢・所作
  • 10回目 言葉遣い

※順番や内容は、一部変更になることがあります。

執筆者プロフィール

澤泉 仲美子(さわいずみ なみこ)


株式会社オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS) 校長

共立女子短期大学で学び、歯科助手として社会人をスタート
学校法人三幸学園(さんこうがくえん)に就職。
クラス担任を受け持ちながら医療請求事務や秘書学・ 簿記学を担当し、1,500名の歯科助手を歯科業界に送り出しました。その後、日本歯科助手協会・会長を務め、歯科助手の社会的地位向上のための活動を精力的に行ってきました。
30歳で独立開業。株式会社オフィスウエーブを立ち上げました。
女性視点を歯科経営に活かすコンサルタント活動を行い、デンタルスタッフ向けに、患者接遇マナーやコミュニケーションスキル講師として全国で活発な講演活動を行っています。コーチングやNLPを学び、デンタルスタッフ育成に役立てています。

著書:「患者さんに好かれるスタッフ習慣術55」、「ファンをつくり出す歯科医院経営」、「歯科助手の上手な活用方法」(いずれもクインテッセンス出版)があります。
ホームページ:http://www.office-wave.jp