心を育てる! 患者接遇マナー

HOMEMIC FUN心を育てる! 患者接遇マナー第10回 歯科現場における言葉づかい(1)

第10回 歯科現場における言葉づかい(1)

みなさん、こんにちは。株式会社オフィスウエーブ代表ならびに、日本歯科プロアシスタントスクールの校長を務める澤泉仲美子です。患者接遇についてのコラムの10回目をお届けします。

正しい言葉づかいはなぜ必要?

今回の「歯科現場における言葉づかい」については、とても大切なことであり、ボリュームも多いので、2回に分けてお伝えします。まず、歯科現場で働いていくうえで、特に言葉づかいについて気にしなければならないのはどうしてでしょうか。その部分から掘り下げていきたいと思います。

「思いやり」を表現する

上下関係や親疎の関係に、言葉で心配りをするのが日本語の特徴です。敬語が発達しているのも、そんな社会だからこそです。これは、大切にしたい日本ならではの文化であるとともに、相手に対する「思いやり」を表現するうえで、とても重要な役割を担っています。歯科現場においては、7万分の1の確率でお見えになる患者さんへ感謝の気持ちをあらわす際に、思いやりを表現できる言葉づかいは非常に大切な接遇スキルだと言えます。

CSに重要な言葉づかい

歯科医院と患者さんとの間で最も大切なのは「信頼関係」です。正しい言葉づかいは、安心感を与え、患者さんとの信頼関係における堅固な土台となります。反対に間違えた言葉づかいをしてしまうと、
「大丈夫かな?この歯科医院…」
「随分と勉強不足だな~」
「レベルが低いな~、治療のレベルは大丈夫かな?」
と患者さんへすぐに不信感を与えてしまいます。なぜなら、言葉づかいは患者さんがしっかり勉強なさっていることが少なくないからです。企業にお勤めの方なら、必ず新人のときに入社研修で厳しく教育を受けていますし、それを部下に教える立場の方も少なくないでしょう。患者さんは当たり前のようにできることなのに、私たちだけが知らないとしたらどうでしょうか。

CS(顧客満足) についてはすでに学びました(第4回 経営者視点・歯科業界を知る CSを参照)。言葉づかいは、まさにCSの一つです。社会での身だしなみとも言えます。いくら先生の技術が高くても、受付やスタッフの言葉づかいが乱れていたり、間違えだらけの言葉づかいでは、医院全体の信用がなくなってしまいます。また正しく美しい言葉づかいは、時代の変化と共に変わってきますが、相手との関係、距離、状況に応じた正しい敬語の使用は、集団や組織における活動を活発にし、細やかな人間関係を作り上げていきます。

確かに敬語の使い方は、難しいものです。完璧に使い分けるのは、至難のワザです。でも、だからこそチャンスです!!間違いのない日本語を美しく語り、ファンをつくれる受付スタッフを目指しましょう!

敬語の種類

尊敬語
相手を敬う言葉づかい。主語が相手(患者さん)。相手の<人、物、事、状態、行為>などをあらわす際に使用します。
※段があるとしたら、相手(患者さん)を一段上に上げるイメージです。患者さんを上に上げることで、相手への敬意を表現します。

謙譲語
相手の人より自分が一歩へり下ることによって、相手への敬意をあらわす言葉づかい。主語は自分。話し手である自分の<呼び方、物、事、状態、行為>などをあらわす際に使用します。
※段があるとしたら、自分が一段下に下がるイメージです。自分が下に下がることで、相手への敬意を表現します。

丁寧語
尊敬語や謙譲語よりもカジュアルで簡単に敬意をあらわす言葉づかい。「です」「ます」調など、尊敬語や謙譲語では大げさになり過ぎてしまう際にも使用できます。
※相手を持ち上げたり、自分を下げたりという、上下の関係ではありません。

また、敬語とは別に、ビジネスの場で使用するかしこまった言葉として、ビジネス用語というものがあります。クリニック勤務中には基本的にビジネス用語を使います。患者さんだけでなく、クリニックの取引先などにも使いましょう。

ちからだめし!

尊敬語と謙譲語のワークです!知っているようでも意外と答えられない方が多いです。私たちは、出張サポート先で以下のワークを行いますが、すべてパーフェクトに答えられるスタッフさんは本当にごくわずかです!!ぜひPDFをダウンロードしていただき、院内の皆様でワークにチャレンジしてみてくださいね。
■ワークシートのダウンロードはこちら

解答は弊社(株)オフィスウエーブのHPにありますので、ぜひ答え合わせをしてください。
■ワークの解答はこちら

いかがでしたでしょうか。次回は今回に引き続き「歯科現場における言葉づかい(2)」についてお伝えします。楽しみにしてくださいね。

連載インフォメーション(毎月第3週 公開予定)

<第1章 接遇の本質>
  • 1回目 感謝の気持ち
  • 2回目 根っこ
  • 3回目 しあわせの法則
  • 4回目 経営者視点・歯科業界を知る CS
<第2章 接遇スキル>
  • 5回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 空気を膨らませる ~
  • 6回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「聴く」を膨らませる ~
  • 7回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表情」を膨らませる ~
  • 8回目 感謝を表現する力を身に付けましょう~ 「表現力」を膨らませる ~
  • 9回目 姿勢・所作
  • 10回目 言葉遣い

※順番や内容は、一部変更になることがあります。

執筆者プロフィール

澤泉 仲美子(さわいずみ なみこ)


株式会社オフィスウエーブ代表取締役
日本歯科プロアシスタントスクール(PAS) 校長

共立女子短期大学で学び、歯科助手として社会人をスタート
学校法人三幸学園(さんこうがくえん)に就職。
クラス担任を受け持ちながら医療請求事務や秘書学・ 簿記学を担当し、1,500名の歯科助手を歯科業界に送り出しました。その後、日本歯科助手協会・会長を務め、歯科助手の社会的地位向上のための活動を精力的に行ってきました。
30歳で独立開業。株式会社オフィスウエーブを立ち上げました。
女性視点を歯科経営に活かすコンサルタント活動を行い、デンタルスタッフ向けに、患者接遇マナーやコミュニケーションスキル講師として全国で活発な講演活動を行っています。コーチングやNLPを学び、デンタルスタッフ育成に役立てています。

著書:「患者さんに好かれるスタッフ習慣術55」、「ファンをつくり出す歯科医院経営」、「歯科助手の上手な活用方法」(いずれもクインテッセンス出版)があります。
ホームページ:http://www.office-wave.jp