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HOMEMIC FUNミュージックセラピー第3回:「ストレスの放出と音楽」について

第3回:ストレスの放出と音楽

私たちは日々の生活の中で、知らず知らずのうちに「ストレス」をためています。
診察にあたっておられる先生や、歯科衛生士の方々も例外ではないでしょう。
そこで最終回となる今回は、「ストレスと音楽」についてお話したいと思います。

悲しい時こそ、悲しい曲を

人それぞれ「ストレス解消法」を自分なりにお持ちだと思いますが、うたを歌ったり聴いたり、演奏したりすることで「ストレス発散」している方もいるのではないでしょうか? これは、音楽が脳に刺激を与え、「ストレスホルモン」をストップさせているからなのです。でも、音楽なら何でもいいかと言うと、そうではありません。
では、どのような音楽がストレスに有効なのでしょうか?

音楽療法の基本に“同質の原理”と呼ばれるものがあります。
これを説明すると、「悲しい時には悲しい曲を、楽しい時には楽しい曲を」ということです。
「悲しい時には明るい曲を聴いたり、歌ったりするのが良いのでは?」と思いがちですが、これは逆にストレスがたまってしまいます。
人間の心はとてもシンプルにできていて、悲しい時に楽しい曲を聴くと自分の心情とのギャップにイライラしてしまうのです。
悲しい時、辛い時に自分の心情に合った曲を聴く事によって、気分が少し落ち着いたり、楽になった経験はないでしょうか? これは私達の身体には、共感するという働きがあり、悲しい時には悲しい歌を歌ったり、聴いたりして共感する事により、精神的安らぎを得る事ができるからなのです。

自分の心情に合った、いま自分が聴きたい曲、歌いたい曲、つまり自分が「好きな歌や曲」を歌ったり、聴く事はストレスを放出し、安心感をもたらしてくれるのです。
この安心感こそ、私達の生活にとって、とても大切なものなのです。

効く曲は人によってさまざま

ご自分が好きな曲であれば、演歌であっても、ポップスであっても、又、クラシックや童謡、民謡でも立派なお薬の役割をはたしてくれます。
ですから、この薬の役割をはたす音楽は十人十色で、人それぞれ違うのです。
ある曲がAさんにとても良かったから、必ずBさんに効くかというとそうではないのです。

そこで、その方その方に効果のある音楽を選び、与えるのも音楽療法士の仕事の一つでもあります。

ストレスを上手に放出することにより、脳の働きが良くなることも実験の結果わかっています。ストレス発散に、自分の好きな曲を使ってみてください。
きっと気分が軽くなり、仕事もはかどることでしょう。

眠れない夜の『バラード』

また眠りを十分に取れていない時ほど、ストレスを感じやすくなります。
ですから、十分な睡眠(最少6時間)をとる事が大切なのですが、人間誰しも眠れない夜もあります。
これは、脳が疲れている状態です。脳が疲れているとマイナス指向に物事を考えてしまうホルモン、「脳内麻薬」が出て、不安や焦り、イライラが良い睡眠を妨げてしまいます。
「脳内麻薬」が沢山分泌している時ほど、私達は安心感を体感できないのです。
そんな眠れない時は、ぜひバラードを聴いてください。バラードはストレートに安心感を感じさせてくれる効果があります。
「脳内麻薬」をストップさせて、心地よい眠りを得る事ができます。
バラードには、さまざまな名曲がありますが、例えば美空ひばりさんの「愛燦燦」や「川の流れのように」は、疲れた脳を癒してくれます。皆さんもぜひ自分の好きなバラードを見つけ、試してみてください。

ご多忙な先生方、健康があってのお仕事です。日々の生活に上手に音楽を取り入れてください。
またご縁がありましたら「心の扉が開くとき」「やさしい音色の処方箋」を一度参考にしてみてください。
より豊に、より上質な生活のために、「音楽」が治療の場で使われている事を歯科の先生方に知っていただけた事に感謝いたしております。

講師プロフィール

音楽療法士(ミュージックセラピスト) 高本恭子(たかもと・きょうこ)

奈良県出身。大阪成蹊女子短期大学児童教育学科卒業。音楽教室講師として知的障害児との出会いをきっかけに音楽療法の世界に入る。
著書:『心の扉が開くとき』(家の光協会)、『やさしい音色の処方箋』(家の光協会)
ホームページ:「 オフィスとんで