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歯科開業前に内覧会を開催する理由と当日までに準備するべきこと

歯科開業前に内覧会を開催する理由と当日までに準備するべきこと

いよいよ歯科医院の開業が間近になると、内覧会を計画する先生も多いのではないでしょうか。内覧会はただ地域の方々へ医院をお披露目するだけではなく、開業後の経営安定化や集患につながる重要な役割を持っています。開業における内覧会の重要性や計画、当日すべきことなどについてまとめました。

歯科医院の開業において内覧会が重要な理由

開業において、内覧会は主に以下のような役割があります。

  

地域の人々へ歯科医院の開業を認知してもらう

内覧会を開催する目的は、地域の人々へ新しく歯科医院がオープンすることを認知してもらうことにあります。開業する地域や立地にもよりますが、経営安定化のためにも、まず地域の人々に歯科医院が開業したことを知ってもらい、知人への紹介や口コミなどで患者さんが増えていくことが理想的です。ホームページや新聞の折り込み広告でアピールするのも重要ですが、それだけでなくオープン前に人を呼ぶことで、来院者の記憶に残りやすくなる効果が期待できます。

  

院内設備や先生の人柄を見てもらう

歯科治療に対して、現在でもネガティブなイメージを持つ人は少なくありません。そのため、新しくオープンする歯科医院に対する地域の人々の関心は、「先生は優しいのか」「治療の技術はどうか」といった点に集まりがちになります。

院内の設備を見てもらったり、来院者に先生が直接あいさつしたりすることでこうした不安を和らげるのも内覧会の重要な役割のひとつです。地域の人々に「信頼できそうな先生だ」「ここなら治療を任せることができそうだ」と感じてもらえれば、歯科医院の評判を高めることにもつながるでしょう。

  

事前の予約獲得

内覧会は院内設備や先生の人柄を見てもらうだけでなく、口腔衛生に関するお悩みを伺い、直接予約を獲得できる絶好の機会でもあります。開業してすぐにある程度の予約が獲得できていれば収益の予測も立てやすく、経営の早期安定化につながるでしょう。

また、最近はWebサイトでの予約の受付や、来院前の問診ができるシステムもあります。こうしたITツールを導入していることを内覧会で直接説明しておくと、今後の集患や予約獲得につながる可能性があります。

内覧会を開催するまでの流れ

内覧会の企画から開催前日までの一般的な流れをご紹介します。

  

1. 内覧会の企画・目的の確認

内覧会を開催するにあたっては、まずどのような催しにするのかをしっかり企画することが重要です。内覧会は人を呼び込むことが必要ですが、そのための効果的な方法は立地や開業形態によっても異なります。

普段から人通りの多い商店街で開業する場合は、人を呼び込むのにさほど苦労はないかもしれません。しかし、人通りの少ない住宅地の場合は、事前にチラシや新聞の折り込み広告などでしっかりとアピールしたり、口腔衛生の相談コーナーや子どもが遊べるスペースを作ったりするなど、地域の人がわざわざ来てくれるような動機づけを行う必要があります。また、居抜き物件で開業する場合は、周辺住民の方々に医院が変わったことを印象付けるため大々的な催しにした方がいい場合があります。内覧会を成功させるためには、人を呼び込むためのこうした戦略が不可欠です。関係者間で打ち合わせを行うのはもちろん、不安がある場合は開業コンサルタントに相談するのもひとつの方法です。

内覧会はチラシやノベルティの制作、ポスティングの手配のほか、こうした企画のための打ち合わせにかかる時間も必要なため、開業日の2カ月前には準備を始めることをおすすめします。

  

2. 開催日の決定

内覧会の開催が決定したら、次に開催日を決定します。内覧会はとにかく多くの人に来てもらうことが重要です。そのため、土日や祝日の午後など、人が来やすい時間帯に開催するのがおすすめです。ただ、ゴールデンウィークやお盆など長期休暇が取りやすい時期の場合は、遠方に旅行に出かけたり帰省したりする人も多いため避けた方が無難です。また、内覧会では院内の設備や雰囲気を見てもらうのも重要なため、開催時期は開業準備がほぼ終わっているオープン直前が望ましいでしょう。

  

3. 地域の人々への告知

内覧会の開催日が決定したら、次はチラシや新聞の折り込み広告などの準備を進めましょう。内覧会に人を呼び込むためには、開催することを地域の住民にしっかり告知することが重要です。歯科医院の立地が住宅地の場合はチラシのポスティングや新聞の折り込み広告などが一般的ですが、駅前や商店街など人通りの多い場所で開業する場合は、通行人に配れるようなちょっとしたノベルティを用意しておくのもおすすめです。

  

4. 当日のシミュレーション

内覧会当日は多くの人が一度に訪れるためとても忙しくなります。そのため、ドタバタした姿を見せないためにも、当日すべきことをしっかりとシミュレーションしておくことが重要です。来院者とどのようにコミュニケーションを取るのか、院内をどういった順番で案内するのか、配布物やノベルティをどのタイミングで渡すのかなど、当日の流れを想定して準備しておきましょう。来院者の悩みやニーズをしっかりと受け止めてポジティブな印象を持ってもらうことができれば、その後の来院や予約の獲得にもつながります。

内覧会当日に注意すべきこと

内覧会の当日はどうしても忙しくなりがちですが、来院者に医院の魅力や先生の人柄を受け止めてもらうためにも、以下のような点に気をつけておきましょう。

  

来院者とのコミュニケーション

内覧会にはいくつかの目的がありますが、先生の人柄を直接感じてもらうのは重要な目的の一つです。そのためには、来てくれた人と積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。

歯科医院の内覧会に来てくれる人は、口腔衛生に何らかの問題や悩みを抱えているケースが少なくありません。こうした問題や悩みに対し親身になって相談を受けることで、来院者も安心し、この先生になら任せてもいいと感じてもらえるでしょう。歯科治療は苦手意識のある人も多いため、まずはしっかりコミュニケーションを取り、不安を取り除いてあげることが重要です。

  

スタッフの接客態度

内覧会を集患や予約の獲得につなげるためには、来院者を案内するスタッフの接客態度も重要なポイントのひとつとなります。忙しいからといってドタバタした姿を見せたり、接客態度が悪かったりすると、来院者は不安を感じてしまい、せっかくの内覧会が逆効果になってしまう恐れがあります。ポジティブな印象を持ってもらうためにも、来院者の話には誠実に耳を傾け、気持ちのいい接遇ができるよう心がけましょう。

接客の良し悪しはスタッフの性格や慣れにもよりますが、研修で向上させることができるスキルでもあります。不安を感じる場合は、事前に接遇研修を行うのもおすすめの方法です。

まとめ:内覧会は将来の集患へとつなげる重要なイベント

内覧会は、歯科医院がオープンすることをただ地域の人々へお知らせするためだけのイベントではありません。人々の信頼を獲得し、未来の集患へとつなげる大切な機会です。医院経営を順調なものにするためにも、オープン前にはぜひ内覧会の開催を検討してみてはいかがでしょうか。

内覧会をどのような催しにすればいいかわからない場合は、内覧会の開催を支援・サポートする会社に相談するのもひとつの方法です。開催の目的をどのように設定すればいいか、また開業するエリアや想定される患者の層に合わせたアピール方法などをきめ細かに相談することができます。開催に不安を感じるという方こそ、内覧会を成功に導くための戦略をプロと一緒に練り上げることをおすすめします。

このほか、本コラムでは歯科医院の開業に関する以下のようなトピックをご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。

  

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