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失敗する歯科医院は開業前に決まっている?成功のために身につけたいスキルと知識

失敗する歯科医院は開業前に決まっている?成功のために身につけたいスキルと知識

歯科医院は開業すれば自動的に軌道に乗ってくれるわけではありません。失敗する歯科医院に共通する特徴はあるのでしょうか。ここでは、開業後に失敗しないために知っておくべきリスクや、成功のために身につけるべきスキルについて説明します。

※歯科開業の全体像は「歯科開業に必要な情報を総まとめ!開業のメリット、資金調達、スケジュールから成功のコツまで」をあわせてご覧ください。

開業数と廃業数はほぼ同数、歯科医院経営の現実

厚生労働省が2019年にまとめた「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2018年10月~2019年9月に開設された歯科診療所は1,451件、一方で廃止となった数は1,478件と発表されています。

この数はここ数年大きく変わることなく、毎年新規開業とほぼ同数の歯科診療所が廃業しているというのが現状です。廃業する歯科医のなかには高齢によるリタイアも含まれているとはいえ、診療所を存続させることの難しさがうかがえる数字といえるのではないでしょうか。

廃業する原因には少子化による人口の減少や、口腔衛生状況が昔に比べ大きく改善されていることで患者の数そのものが減っていることもありますが、集患に失敗したり経営者としての見込みの甘さがあったりといったことが原因になっているケースも少なくありません。

失敗する歯科医院に共通する5つの特徴

失敗を回避し、歯科医院の経営を長く続けていくためにはどのような点に気をつければいいのでしょうか。まずは歯科医院の経営がうまくいかない場合にありがちな要因について見てみましょう。

  

事業計画(資金繰り)が甘い

失敗する原因として最も考えられるのは、やはり資金面での見通しが甘いというケースです。歯科医院は他業種と比べると開業に多額の費用が必要で、一般的には5,000万円以上といわれています。通常はそのほとんどを借入に頼ることになるため、堅実に経営を行い、利益を出し続けていかないと、すぐに赤字になってしまいます。月々の固定費や返済額などはもちろんですが、1日の来院数や単価など細かい部分まで考え、綿密な事業計画を立てておく必要があります。

≪一緒に読みたい記事≫歯科開業に必要な資金はいくら?独立前に知っておくべきお金の話

  

事前のリサーチ不足

先に紹介した厚生労働省の「医療施設動態調査」によると、2019年10月1日時点での歯科診療所の数は68,500施設。この数はコンビニの数よりも多いといわれています。これだけ多いと歯科医院の患者獲得競争も激しくなるため、開業前には十分なリサーチを行うことが重要です。例えば周辺の世帯数や昼夜の人口比率、ライバルとなる歯科医院の数やそのコンセプト、住民の年齢層などを調べ、どのくらいの収益が見込めそうか、また自分の実現したい歯科医院のコンセプトと合っているかなどをしっかり検討しておきましょう。

  

他院との差別化ができていない

上記のリサーチと重なる部分はありますが、患者の獲得競争が激しい地域では他院といかに差別化するかも重要な要因となってきます。いくつもの選択肢があるなかで「ここに通いたい」と思ってもらうためには、技術の高さや歯科医院としてのコンセプト、院内の雰囲気など、何かしら選んでもらうための理由が必要です。他院とはっきりと差別化されている歯科医院は、自然と口コミも集まりやすく効果的な集患もつながります。

  

経営者としての視点がない

勤務医であれば自分の技術を磨き、経験を積むことで給料は上がっていきますが、開業後はそれだけでは収益にはつながりません。どうすれば人が来てくれるのか、スタッフを定着させるにはどんな職場環境が必要か、経費を抑えるためには何が必要かなど、歯科医院全体の経営を考える必要があります。こうした視点がなく、ただ漫然と働いているだけでは、次第に経営は苦しくなっていくでしょう。ディーラーやレセコンメーカーのなかには、歯科医院の経営を学ぶことができるセミナーを開催している企業もあるため、開業前に勉強しておくのもいいでしょう。

  

開業をコンサルタントに任せきり

歯科医院はライバルが多いため、集患方法やコンセプト、開業する場所などを専門のコンサルタントに相談するケースもよくあります。経験豊富でいくつもの歯科医院の開業を手伝ってきたコンサルタントは頼りになる存在ではありますが、あまりすべてを任せきりにしてしまうのも考えものです。特に開業コンサルタントはずっと相談できるわけではないため、開業後は自分で経営的な判断をしないといけない場面も出てきます。自分の力でしっかりと運営していくためにも、経営者としての知識を身につける必要があります。

歯科医院の経営を安定させる4つのポイント

歯科医院の経営を安定させるためには、どういった点を意識すればいいのでしょうか。そのポイントとして挙げられるのが以下の4つです。

  

開業場所をしっかりと選定する

歯科医院の集患は、立地に大きく左右されます。例えばもともと歯科医院の多い場所に開業しても患者さんを取り合うだけの結果になり、いくら広告やチラシを出しても効果は薄くなってしまうでしょう。昼夜の人口比率や世帯数などを調査し、需要の見込める場所に開業することが重要です。また、地域性や住んでいる人の年齢層と自分が実現したい診療コンセプトが合っているかも重要なポイントです。

  

歯科衛生士などスタッフの確保

歯科医院の経営にとって、歯科衛生士の確保は深刻な課題のひとつです。専門職のスタッフはただでさえ確保が難しいうえ、結婚や出産に伴う退職などもあり、定着しにくい傾向にあります。また、都市圏では患者のニーズに合わせて夜間や休日も診療を行う歯科医院が増えています。そのため長時間労働や激務になりやすく、さらに離職率を高める悪循環になっているケースも少なくありません。こうした事態にならないためには、スタッフの労働時間や環境に気を配り、働きやすい環境を整えることが重要です。

  

自費診療の割合を増やす

経営の安定性という意味では、保険診療に加えて自費診療の患者を増やすことも重要なポイントです。歯科医院でできることの幅を広げるという意味でも、もし将来的に国民皆保険制度の信用性が薄れてきた場合の保険としても有効な施策といえるでしょう。自費診療の割合を増やすためには、設備や広報活動を充実させるほか、自由診療メニューを充実させたり、患者へのカウンセリングを重視したりするなどの方法があります。

  

新規患者数を増やす

開業してしばらくすると、次第に患者が定着し経営が安定してきます。しかし、これだけで安心していると、年数がたつごとに新鮮味が薄れ、新規患者数は減っていくことになるでしょう。これを防ぐためには、広告や口コミの活用のほか、Webサイトを通して情報発信を行うことで、常に安定して新規患者が獲得できるような環境を作ることが重要です。また、地域のニーズや歯科診療のトレンドにあわせて治療を提案するのも重要なポイントです。こうしたニーズに合致することで、さらに新しい患者を集めることにもつながります。

歯科開業に必要な5つのスキル

歯科医として独立し診療所を経営するためには、歯科医療技術だけでなく、経営やマネジメントなどさまざまなスキルが必要となってきます。

  

治療技術

歯科医院である以上、まず重要なのは治療技術です。歯科医院は広告やチラシ以外に、口コミが集患に大きな影響を及ぼします。そのため、常に新しい治療技術を取り入れ研鑽するなど、歯科医としてスキルアップし続けることが重要です。「あそこの先生は腕がいい」といううわさが広まれば、それだけで大きな広告効果が見込めるでしょう。

  

コミュニケーション能力

患者とのコミュニケーション能力は、特に重要なポイントです。歯科医院に来る患者は必ず不安を抱えているもの。歯の状態や治療方針を丁寧に伝えることで、安心感を与えられるようにしましょう。丁寧にコミュニケーションを取ってくれる先生は、患者にとっても良い印象を与えることになり、口コミで新しい患者を呼び込むことにもつながります。

  

マネジメント力

診療所のトップとして、医院全体をマネジメントする力も重要なスキルです。最近はスタッフの接遇研修に力を入れ、患者にとって心地良い環境づくりに取り組む歯科医院も増えています。スタッフ教育やコーチングに力を入れることは、集患にも大きな影響を与えます。

  

保険制度の知識

国がどういう意図をもって保険制度を作っているかを理解することが重要です。2018年度診療報酬改定では「質が高く効率的な医療提供体制の整備とともに、新しいニーズにも対応できる質の高い医療の実現を目指す」ことが明記されています。診療報酬点数の配分は国策にならって決められる傾向にあり、保険収入を安定させるためには国や患者のニーズに合わせた医療サービスを展開することが重要です。

  

経理・税務の知識

国の保険制度に加え、経理や税に関する知識も重要です。特にユニットやレントゲンなどの医療機器は高額なため、適切な税金対策が重要です。購入して減価償却する方が有利なのか、もしくはリースにするのが有利なのか、こういった判断ひとつで大きな差が出てくるでしょう。

経営者としてさまざまなスキルが必要

開業後の歯科医院を成功に導くためには、治療技術を磨くことはもちろん、同時に集客やスタッフのマネジメントなど経営者としての視点を磨くことが重要です。

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